市役所の移転について
先日、会派(夢みらい鎌倉)の賛成討論を記載しましたが、市役所の移転についての3点の考え方を改めて載せます。
●市民の命を守る防災の観点
討論でも申しましたが、30年以内に70%の確率で大規模な地震が発生するといわれています。その時に市役所が機能を保つためには、現庁舎では難しいです。
東日本大震災や熊本地震で被災地の自治体庁舎が被害に遭ったことからも、損壊による初動の遅れや業務機能の停止等、住民の被害が大きく拡大するリスクをはらんでいます。また、築50年以上の建物であり、市民対応のスペースや職務スペース、環境も良いとは言い切れません。
今後いつまで使い続けるのか。10年なのか20年なのか、耐震補強等では一時的にコストは抑えられるものの、老朽化の解消とはならず、抜本的な対策を図る必要があり、市民の拠り所となる庁舎がしっかり機能を果たす庁舎であるためにも本庁舎移転は喫緊の課題であると考えます。
●公共施設の再編
昭和30年代からの急激な人口増加を背景に、多くの公共施設を整備してきましたが、現在、これらの公共施設の老朽化が進み、今後集中して必要となる施設の維持・改修などに係る多額の費用確保が課題となっています。
【新庁舎整備】
技術革新が早く働き方が変わってきています。それは市役所の機能も同様であり、進歩がもらたすことによりサービスの提供方法が変わっていきます。行政手続きがオンラインでも可能となり、自宅等やスマホからでもサービスを受けられるようになります。もちろん対面型の窓口も設置し、オンラインが苦手な人も安心できる環境や相談事を一か所で完結できるようにしていきます。
そして、市民交流のスペースを充実させることで、市役所への手続き以外にも訪れて過ごせる場所を整えて、一人ひとりのライフスタイルに合わせた便利な市役所、行かなくてもいい市役所を目指します。
【現在地利活用】
現庁舎は土日はほとんど利用されていない状況です。これまでの鎌倉の歴史や文化を考える中、中心の地であることは理解していますが、多くの方々訪れる玄関口としての鎌倉でもあり、この場所を新たに活用していくことが重要だと思います。
行政サービスの提供の場としてこれまで同様に相談や手続きを支える場を残しながら、図書館や学習センター機能など、世代性別を超えた交流ができるスペースを確保し、屋外スペースも含めて、市民が中心の鎌倉の拠点につなげていきます。
●まちづくり
深沢地域における整備事業は50年に一度のまちづくりだと認識しています。これまでの鎌倉を継承し、これからの鎌倉をどうしていくか、未来を考えるうえで、様々な意見や声を聴いて、市民と一緒に創り上げていくことが、今まさにできる機会です。
私の原点であります「みんなで創る鎌倉を目指して」、引き続き、一つひとつ取り組んでまいります。